先生から直接教わるだけで成績が上がるわけではない #23

代表浅見がstand.fmで音声配信を行っています

このチャンネルでは
パラリアを経営しながら、大学院で自習の研究も行っている代表の浅見が

大学受験を控えた高校生・浪人生と
そのお母様お父様に向けて

受験に関する情報をお伝えしていきます

お金で授業を買おうとするとおかしなことになる

学校や塾をビジネス的に考える場合

どんな先生の指導を受けるか
その先生の時間をどれくらい拘束するか


この2点に応じて費用が発生する
と考えるのが妥当かなと思います

そういった感覚が大人の間では

大人というのはお母様お父様と
学校や塾の先生の中では

暗黙の前提になっている感じがあります

ビジネス的には妥当な考え方かもしれませんが

お子様の学びという観点で考えた場合
だんだんおかしなことになってきてしまうと思っています

集団授業と個別指導で状況が大きく異なるので
分けてお話します

集団授業は予習と復習をしないと学習にならない

集団授業の場合
有名な先生の授業を聴くために
わざわざ遠い校舎に行ったりして授業を受けます

有名な先生であればあるほど
わかりやすいことは言うまでもありません

ですが
なぜ授業を受けているかといえば
それによって学校の成績や模試の成績をアップさせたいからだと思います


授業だけ受けていれば成績がアップするのかというと
そうではないですよね


もちろん授業設計によって内容は変わってくるのですが
授業には予習と復習がセットで必要です

予習することで
自分が今どこまでわかっていて
どこがわかっていないかを把握することができます

授業では
予習して疑問に思った部分を特に重点的に聴きつつ
自分の中で理解できたと思っている部分の確認を行います


そして
授業を受けて始めてわかった内容について
自分一人でも理解ができ
理解したその知識をつかって問題が解けるか
どうかをやってみて確認します
これが復習です

このように
予習・授業・復習の3点セットで
はじめて授業による学習が完結します


なので
集団授業を行う塾に入ったら
予習と復習は自分で考えて取り組む必要があります


親切な先生なら予習と復習についても言及し
いい先生だと具体的に予習と復習のやり方まで教えてくれます

それを最終的に自分で
つまり授業等の強制力がない状態で
自分から予習や復習に取り組んでようやく学習が完結します

ここまでをまとめますと
授業がわかりやすいかどうかなんて当然で
その授業をただ聴いているだけでは成績はアップしない
ということですね

個別指導は勉強をやったつもりになりやすい

では個別指導の方ですが
家庭教師もここに含まれるかと思いますが

こちらは先生とマンツーマン、または2・3人対1人で
わからないところを先生に質問でき
直接答えてもらえるというものです

これも先生の力量によってかなり変わってきてしまうのですが
わからないところを質問できる
という状況を有効活用するには
まず何がわからないかを明確にしておく必要があります


勉強が苦手な人は
何がわからないかもわからないことが多いので

担当してくれる先生が
わからない箇所について深堀りしてくれたりとかすればいいのですが

そういった配慮をしない先生だった場合は
お子様ができない箇所に根ざした質問対応にならず
勉強らしきものをやっただけの形式的なものになってしまいます

個別指導の場合は
学校の勉強についていくために
宿題を中心に見てもらえるというパターンも多いです

これもかなりお子様の意識次第で効果が変わってきてしまいます

先生を答え製造機のように利用した場合
宿題が進んで提出物は出せるかと思いますが

勉強になっているのかというと
先生の答えを特に考えずにそのまま書いたりするだけなので
頭を使わずにやり過ごすだけになってしまいます

さらに
例えば先生がすごくたくさん色々なことを解説してくれたとして

聴いていたお子様がその内容をどの程度理解できたのか
理解できたとして、問題が出てきた時にその理解が役に立つか
というところまで確認する必要があります

話だけ聴いているとできるような気になりますが
実際にやってみるとできない
ということは頻繁に起こります

成績アップを考えるなら授業と自習のバランスが必要不可欠

これらのことから、お子様がどれくらい勉強できるかどうかで考えますと

授業が増えれば増えるだけ
先生とマンツーマンの時間が増えれば増えるだけ
それに伴ってお子様自身で考える時間
予習・復習の時間が必要になってくるということです

ここに塾や学校の講習のお金が絡んできますと

今の成績ではやばいということで
お金を払って塾の授業や学校の講習を受けますが

授業や先生とのマンツーマンの時間をたくさん取れば取るだけ
それに伴う自習時間も確保しなければいけません

本当にお子様の成績をなんとかしようと考えたら
授業数を適度な量にしなければいけない
のですが

限界まで塾の授業を入れて
一日が、ひどい場合は平日すべてが
学校と塾の授業だけで埋めてしまう事例が本当に多いです

これはいつの間にか
手段と目的がすり替わっておりまして
塾の授業を受ければ成績が上がるという
学習プロセスが飛んだ考え方になってしまっています


もちろんこれは
ビジネスの感覚が強い塾や学校もだいぶ悪い影響だと思います

売り文句として
「うちの授業を受ければ成績が上がります」
というメッセージを堂々と言ってしまうからです

教えてもらうのが有効な場面かそうでないか
ここを見極めてから先生の解説を貰う機会を作らなければ
先生の話を聴くというさも勉強っぽい時間が流れて終わってしまうだけです

今日のお話は全く普通のことなのですが

授業をたくさん受けさせれば成績が上がるというロジックが飛んだ信念で
運営されている学校や塾は後を立たず

またそういった学校や塾の話を信じてしまうご家庭もたくさんある
という構図があると私は感じています

学校や塾側としては
授業をたくさん受けないといけない
と思ってもらうのはとても都合がいいですよね
その分稼げるので

しかも
授業をたくさん受ければ成績が上がると
悪気なく本気で信じている塾や学校があるので
余計たちが悪いです

もちろん厳密に言えば
小学生以下のことを考えると
授業自体の刺激がいい影響を与えたりするでしょう

しかし高校生となれば
最終的に自分自身が咀嚼した知識や考え方しか
受験本番で使えないわけなので

授業をうければ受けるほど成績が上がると考えるのは
無理があると思います

人間はAIとは違うので
外から知識を与え続ければ伸びるなんということはありません

内容によってはそれでもいいかもしれませんが
高校生に至っては明確に違うと考えています

自分自身が理解しようと思って取り組まなければ
どんなに良い解説も意味を成しません

教育とビジネスのかけ合わせは本当に難しいなと思います

ビジネスに寄せていって
再現性のことまで考えると
生徒を機械扱いして考えることになります

ただ
ビジネスの視点を持って運営しなければ
塾も学校も続いていかないのは事実です

教育とビジネスのバランスを、私も常に意識していきたいなと思っています

====まとめ====

授業は予習と復習のセットで
ようやく効果を得られる

授業ばかり詰め込んで
自習する時間がなくなると
成績は上がらない

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実際の生徒指導の様子は、インスタライブで発信しておりますので
よかったらそちらも観ていただけたら嬉しいです