パラリアの意味、お伝えします

 

塾の名前の由来は、特に興味を持たれないものと思っていました。

よくHPに書いてあったりするものもありますが、「聴いてないけどね」と思われるのも痛いな、という思いもあり、どこにも書いていませんでした。

しかし、ここ最近毎週のように聴かれています。私が思っていた以上に、意味をお伝えする必要があるのではないかと思ったので、この機会にまとめてみたいと思います。

 

 

パラリアとは、パラレル・リアリティのことです

パラリアとは、「パラレル・リアリティ」の略です。英語ではPARARIAとかき、parallel realityの略ということになります。(英語表記でなぜ「e」が「i」なのかは割愛します)

スピリチュアルな内容を含むつもりは全くありません。ちなみに言葉そのものは、私が師事する教授にまつわるものです。

 

問題意識の原点は、「希望を持たないことによって痛みを回避した高校生」

私が学部時代に様々な塾でアルバイトをさせていただいていた時、お相手させてもらっていた高校生はみな、さも現実的な志望校を提示していました。

理由を聞くと、「他の人もそうだから」、「学校の先生に、このくらいだろうと言われたから」等の浅い理由が返ってきました。

 

高校生のうちから将来を考えるのは簡単なことではありません。なので仕方がない点もあるかと思います。

どんどん仲良くなる中で、本音を打ち明けてくれる高校生が何人もいました。その中で、私が特に強烈に覚えているものが二つあります。

 

こう言うと親や先生から怒られないから

一つ目は、「こう言うと親や先生から怒られないから」です。驚くほど冷静に、淡々と教えてくれました。

空気を読み過ぎた結果、最も短期的な痛みを回避することが目的になってしまった事例です。

この高校生は、最初は「公務員」と私や周囲に話していました。もはやどの発言にも悪気は全くありませんでした。

二つ目は私個人的に最も衝撃的だったものです。

 

他人に奪われるから、将来は描かない

 

「小学校の時の希望進路も、中学の時の希望進路も、親に騙されて(合格を隠蔽されたり等)希望が通らなかった。もうこれ以上、自分の希望を他人に奪われたくない。だから将来は描かない」

実際この女子生徒は、あまり良しとされない方向にも片足を突っ込んでいました。かなりクレバーで生きる力を持った子でした。

この二つの事例が危険である最大の理由は、この思考で意思決定をすればするほど、自分の思考プロセスをどんどん正しいと信じてしまうものだからです。簡単にいうと麻薬と同じようなものと考えています。

 

今日の高校生の日常の中で、この二つの理由を携えていると、「ほら、やっぱり自分の考え方は正しい」と、どんどん自信を持ってしまう可能性が高いです。

それだけ、周囲の大人以外のプレッシャーがない、という方が正しいでしょうか。SNSにより友達関係も窮屈なものになりましたが、友達同士で将来の話をする高校生は少数派です。

 

周囲の期待を読み過ぎた結果、本当に自分の意見がなくなってしまった高校生

上記の二つの事例はとても極端なものでしたが、現在でも、これらの初期症状に過ぎない事例がとても多いです。

こういった思考の高校生は、その場を乗り切るのがどんどんうまくなり、その結果、最初は何かしら考えていた将来のこと、やりたいこと、興味があることを、本当に忘れてしまいます。

いざ心理的安全が保たれた場所に来ても、自分のことを話せなくなってしまいます。

少なくとも私の肌感覚では「反抗期だから」、「多感な時期だから」による「話さない」ではなく、本当に話せない割合の方が、最近は多くなってきている印象です。

一方で、こういった高校生の方が、周囲からほめられていたり、親や先生から心配されていない場合も多いです。

私の実体験と解釈はこの辺にしておきます。

 

自分を認め、隠れて努力する場所を提供したい

これまで関わった多くの高校生の中には、まだ初期症状でとどまっている、まだ完全に自分を失ってはいない人もたくさんいました。

彼らが自分の向かいたい方向の話をするときは、本当にイキイキと話してくれます。大学のことでも、大学以外のことでも関係ありませんでした。

この前向きな姿勢こそが、周囲にいい影響を与えるのではないかと考えました。少なくとも私は、彼らを見ていてなぜか自分も、今よりもっと前向きになろうと思えたからです。

 

しかし、今日の高校生は、SNSを含め人間関係に苦しむ傾向にあります。メンタル的な不調が身体に来て、休みがちになる高校生が本当にたくさんいます。原因は先生、同級生、親のどれか、または複数です。

そういった事情を踏まえ、私が提供したいと思った場は、

「家や学校でのキャラを維持しながら、裏でこっそり、でも本気で、なりたい自分に向かって思いっきり努力できる場」です。

 

「学校や家では、自分が出せないかもしれないし、出せないのも当然だと思う。でも、この場では今の自分の能力は関係なく、やりたいこと、なりたいもの、達成したいことを気兼ねなく宣言して、そのために自分と向き合って頑張ってほしい」

そんな想いで「パラリア」と名付けました。

 

まとめ:パラリアの意味

パラレル・リアリティ:「なりたい自分に素直になり、今の自分の至らない点を認めて、足りない自分と闘うための場所」